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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
三井 修
ふかくふかく潜る鯨のしづかなり 酸素マスクに眠りゐる人
かはせみは雫こぼして枝にもどり水中の魚一尾消えたり
あかね雲かがやく街の古書店にイスラム経典しづもりてあり
ハイヒールにゆく春の街身の芯を立てれば見えくるものあるやうな
やわらかく風に靡ける娘のシャツは青葉の庭に花となりたり
ばうばうと風にかがやくのみにして水を噴かざる噴水群よ
虫よけにあなたの植えるマリーゴールドこんな形の防衛もある
空の海にさらはれたりや飛行船 五月の空は底なしの青
『「いい人」をやめると楽になる』…本を戻して書店を出づる
晩年を蘭に憑かれて生きにしは神を殺した男ダーウィン
降らずとも傘を持ちゆく子を褒めてたまにはびしょ濡れもいいよと思う
片隅に〈桜桃忌〉とぞ記したれば上司のコメントあり業務日誌に
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