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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
染野 太朗
火鉢に火 灰皿に灰 花瓶に花 あなたはどんな手をしてるのか
スズカケと肌が似ていてスズカケじゃない並木道 木を見て歩く
ボンネットに貼りつく無数の虫の死が星座のように広がっている
奇跡などなにひとつ起こらざりしかな風に若葉が日がなかがやく
腕時計ひかりをかへしいつのまにか半袖ばかり着てをれば初夏
あなたへとつづく明るき階段の真ん中ばかりすりへつてゐる
口内炎舐めつつエレヴェーター待てり次の会議に身を移すべく
コスモスが咲いているのは母校なる小学校の脇の道なり
蠟燭に火は慄えつつ リア失冠の間にも控えていたはずの燦
友だちが来てテーブルをくっつける 新しいテーブルの大きさ
カフェラテの泡にたゆたう葉脈をひとくちごとに引きのばしおり
ソファーに座りたるとき尻に触れしものあり声をあげて悔やめり
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