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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
前田 康子
ひと一人おもひ初めたり行く道はうすももいろにひるがほの花
車椅子同志のあいさつは体を横にふることで足る
今宵また長く鳴りいる魔法瓶ふいに亡き鳥恋しかりけり
頭ぶつけ胃はおどるとも砂漠ゆくバスはうしろがいちばん落ちつく
みちのべに埃(ほこり)をあびてしげる草秋は穂に出(で)て名はあるものを
一日が過ぎれば一日減つてゆくきみとの時間 もうすぐ夏至だ
君がふと振り返りしを夜の駅の窓にかくれてわれは見てゐつ
花々に埋もれてわれも風のなき柩のなかにひと世終へんか
つくづくと君男なりいち早くカワセミ見つける動体視力
プリントを授業で配るそれだけでありがとうを言う子供らがいる
たて笛に遠すぎる穴があつたでせう さういふ感じに何かがとほい
老眼鏡掛くれば延びる生命線このさびしさに慣れねばならぬ
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