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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
青鷺がないて飛びたつ風景もすでに心のなかの一枚
モロヘイヤいくつあってもモロヘイヤこの夏幸せなモロヘイヤ
ふるさとは風のすみかとなりにけり人やははらふ庭の荻原
昼もなほつめたい床に膝をつき毒を吸ひ出すやうにくちづけ
あの雲のすそをつまんで岸辺までぐいと引き寄せられないか、夏
殺してもいいけどここからここまでは親に届けてあげて泣くから
雲のからだに骨はないのに悲しみという感情はつくづく勝手
青き灯のここに黙れば訪ひてとほどほと風を聴きゐたり 丘
おおぜいの人に交って立つときも寂しかったよこの交差点
冷たくも祈り組まれたその御手におのが手を寄せぬくみを分かつ
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