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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2010年10月
あ、ではなくああ、であろうか学校に踏み入るときの人の言葉は
座席には互いに快適に坐ろうぜ詰め合って窮屈に坐ることはない
水田に横転してゐる特急の写真を見ては和らぐこころ
秋雨は芯まで雨だ むらさきの傘しばりつつ階段おりる
ひとりゐて飯(いひ)くふわれは漬茄子(つけなす)を嚙むおとさへややさしくきこゆ
南の洋(わた)の底ひに水漬きつつ 白じろとして 面わ冴えゐる
井戸のあり腕を伸ばせば水底に冷やしおきたる我のふるさと
散りそうに襟は揺れたり風ばかり渡りゆく橋ひとり越ゆれば
山鳩はすがたの見えてわがまへに啼くなれど声はとほく聞こゆる
伜なる俺をときをり忘れをり忘れられしは涼しもたらちね
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