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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年3月
ねむたさとさびしさをよりわけたあとねむたさに寝る 春の新月
春の日のななめ懸垂ここからはひとりでいけと顔に降る花
おしゃべりは咲いては枯れてまた咲いて矢車菊の蒼い夕暮れ
Tシャツを千枚脱いだら目覚めたの すみやかに来てグラン・パ・ユング
憧れの山田先輩念写して微笑む春の妹無垢なり
四年前グアムで買った星型のにこにこシールを使い始める
遠慮がちに恋打ち明くるひとのごと木漏れ日は吾子の指へと届く
ゆくりなく枯野へと鶴まひおりて風景が鶴一羽へちぢむ
すれ違うときの鼻歌をぼくはもらう さらに音楽は鳴り続ける
トンネルとトンネルの間のみじかきに朽ちたる家を車窓は映す
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