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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年8月
自販機を見つけるまでは話さない獣みたいな食事のあとで
きちんと育てられたんやねと君は言ふ私の闇に触れてゐるのに
草木は怒りもたねば怒りたる人は紅葉のなかに入りゆく
鏡台の位置を変えれば意外なる明るき光の中に貌あり
山に来てほのかにおもふたそがれの街(まち)にのこせしわが靴(くつ)の音(おと)
死ぬまえになにが食べたい? おにぎりと言おうとしたら海が開けて
園芸用ポールは肋のごとく立ちそこより出でず茘枝(ゴーヤ)の繁る
地に近く黄の色を曳く蝶々よおまえがたてるものおとあらず
うれしいの わたしもうれしいゆふやけが夏の水面をまたたかせると
水は青く、ないと言ひ掛けザラザラのプールサイドに膝抱へゐき
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