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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2018年8月
イエスは三十四にて果てにき乾葡萄噛みつつ苦くおもふその年齒(とし)
短足を櫂として漕ぐ水中の河馬の軽さよ尻尾も短い
マルボロをふかせる君に肺といふ逆さの桜いま咲きほこる
わたくしを生きているのは誰だろう日々わずかずつ遅れる時計
またひとつピアスの穴をやがて聞くミック・ジャガーの訃報のために
洗濯機回る音すらうたた寝に母在りし日の音とし聞こゆ
ママのバラの服のうしろにへびがいた/最近ゆめみのわるいここは
歩数ゼロの携帯にメール、またメールわたしは今日はじつとしてます
雄叫びに似て冬の陽が落ちてゆくしばし炎の髪となる森
噴水を創りし人のはるかなる水きららかに巡りてゐたり
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