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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2019年5月
横山未来子/ふつつりと置き去りにされ乱れたる飛行機雲を風のきよめぬ
本条恵/生け垣が羊の群れになる四月「大学通り」に咲くユキヤナギ
横山未来子/あたたかき闇に背中をあづくるにふと外されて現(うつつ)へかへる
大澤サトシ/巻き返し出来ない程にひねくれた外反母趾も自分の歴史
横山未来子/視野の端(は)に君みとめつつ振り向けぬわれを真冬の海星と思ふ
沖ななも/熟れすぎの桃の匂いののぼりたち捏ねあわされて昭和はあるも
睦月都/猫をわが全存在でつつみ抱くともだちになつてくれたら魚をあげる
有沢螢/春三度(みたび)われに巡り来 動かざる手足やさしく撫づるごとくに
澤村斉美/鳥は影を、水に映れるみづからをなにと思ふらむ「少し陰つた水」
春日いづみ/手鎖の刑を受けしか今朝の夢弓手の手首に痺れ残れり
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