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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年12月
はい、いいえ、どちらでもない春の野は色づきを深めてゆくばかり
妙にあかるきガラスのむかう砂丘よりラクダなど来てゐるやもしれず
ナボコフの趣味をにほはせ桜木は夜ごと淫靡にふくらみゆきぬ
雨によごるる果実小鳥らのはらわたに累々として光りはじめん
パンセパンセパン屋のパンセ にんげんはアンパンをかじる葦である
とある日の夕まぐれどきとび交へるをさなき声の中を通りき
土くれがにおう廊下の暗闇にドアノブことごとくかたつむり
小さき鳥あかるく歌をうたふまに涙のごとき糞をして去る
ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった
つらいなら雪を炎と呼ぶ国へゆこうよ、もっとつらくなろうよ
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