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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2022年6月
ねむりゐるからだのうへに猫が来てひとつながりの闇となりたる
海開きひとりで祝うビニールシート広げて去年の砂を逃がして
甘つちよろいことを言ひます そばにゐてくれる同僚それだけで良し
肉眼の雨おそろしく老けてゆくこの肉眼のタイムラプスに
ぼくらになかった未来かあ……ウケる 考える 電車が川を渡りきるまで
眠るだけ眠りなさいな夕立にあゆみを止める夏の日時計
懸命に歩いて来たが最初から道が違うという夢なりし
スイミングスクール通わされていた夏の道路の明るさのこと
夏衣の母のあゆみの衰へて来しあのころが晩年なりしか
開けっ放しのペットボトルを投げ渡し飛び散れたてがみのように水たち
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