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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
「けふ」と書く「ふ」の頼りなさ一日を生き延びて書く記憶の上に
読みかたを知らない名前を書きうつすときころげでるいくつかの顔
やいちくんと巡るぢごくのたのしさはこの世のたのしさに似てゐます
にしびさす書架の森よりあらはれて椅子のかたちに人は座れる
スカートがわたしを
穿
は
いてピクニックへ行ってしまったような休日
ブッシュより野兎ふいに現れて我の視線を引っ張ってゆく
ふはふはの溶き玉子掬ふ木の匙の遠つ世のあはれ高安の
女
をんな
ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす
四つ辻の夜の
灯
あかり
のさみしけれわれより引き出す影ふたつみつ
〈僕〉といひ〈俺〉ともいひて定まらぬわれを知りつくす晩春の河
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