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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
百年後も決して終はらぬ三月がまた来る冬のコート着たまま
春浅き付箋だらけの子の辞書がことばこぼさぬように立ちおり
天冠のとれし女雛のまぬけ顔したしみありてわれは寄りゆく
三月のビニール傘にわたくしをころさぬほどの雨降りそそぐ
名を呼ばれ息子が立ちぬその名もていつか死ぬのか弥生のひかり
receiptの中のpなどどうでもよしどうでもよくて一点減らす
用務員早崎カツがまた怒る「先生たちのだらしないこと」
読みかけの文庫本『斎藤茂吉歌集』にて百足を叩く 仕方なかりき
生まれる子生まれない子とひしめいて保温ポットの中のきらきら
直方体にとどめられたる牛乳のこの世のかたち提げて歩みぬ
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