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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
いましづかに夕日がしづむ鳥よりも風よりもとほき旅をしてきて
生まれ変はつてもサラリーマンであるやうな冬空の下にバスを待ちをり
後ろから抱きしめるとき
数一〇〇〇
かずいっせん
の君のまわりの鳥が飛び立つ
夜の時間を味方につけて書いてゆくエッセイのなか祖母が来ている
ひねもすを 曾孫にをしへ余念なし。火遁 水遁 壁ぬけの術
石畑と名乗りはじめた先人の両手のひらの血豆をおもう
しくじりし会議を終へて乗る電車うしろ五両は忘れてください
試されることの多くて冬の街 月よりうすいチョコレート嚙む
日の字型の庁舎の廊を持ちまわる未決裁文書の重きゆうぐれ
わたくしはいつでも動詞 走ったり叩いたりして君に溶けゆく
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