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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
都会にもあるけど帰りたくなるよ金木犀が写メで届いて
星に星のふるへつたはり手のなかの万年筆をかちりと閉めつ
族なるをみな三人海のぞむホテルにこころを曝して語る
食卓におく箸置きは星として日々の食事は流星として
睡蓮が水面をおほふ夏の午後こんなに明るい失明がある
浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い
浴槽は海に繋がっていません だけどいちばん夜明けに近い
視るちから姉妹のやうに異なれる右目左目とぢてねむれり
灯をともすものみな異国の詩を唱え表通りに冬がはじまる
しずけさおときえてこのひろがりに人いなくひと風のむこうにひと
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