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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
日高堯子
如意棒にほつほつほつとおひさまが置かれ列島けふ菊日和
秋の雨あがった空は箱のよう林檎が知らず知らず裂けゆく
耳に髪かけてわれとふ蟬穴にからりと秋の朝をとりこむ
麦縄といふ古き名を思ひつつ
初秋
しよしう
の熱きうどんを食へり
人さし指つかみ離さず死に場所をえらぶことなし衰へし蟬は
暁やみにゆり起こしてくる顔ありきわれより若し母と名乗りて
ねむりゐるわれのからだにほのかなるにほひのありて我は近付く
クバの葉を被りて雨をやり過ごすジャングルの白い
雨闇
あまやみ
のなか
焼跡に
杙
くひ
のごとくに立つ少女吾敗戦の日の白黒写真
竹煮ぐさしらしら白き日を
翻
かへ
す異変といふはかくしづけきか
またひとり顔なき男あらはれて暗き踊りの輪をひろげゆく
ふるさとは光る
腕
かひな
で抱き寄せて耳許近く秘め事をいふ
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