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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
一ノ関 忠人
昏れゆけば信濃は早き夕餉どき母のなき娘が膳運びくる
わが洞のくらき虚空をかそかなるひかりとなりて舞ふ雪の花
わが袖は潮干に見えぬ沖の石の人こそ知らね乾く間ぞなき
あと絶えて浅茅が末になりにけりたのめし宿の庭の白露
仄白く鉄路の死体雨しぶく一九四九年七月五日深夜
みじかびのきゃぷりきとればすぎちょびれかきすらすらのはっぱふみふみ
風になびく富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬわが思ひかな
み吉野の 象山の際の木末には、ここだもさわく 鳥の声かも
家にてもたゆたふ命。波の上に浮きてし居れば、奥処知らずも
八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を
水はやき小川の浮藻いまのわが心にも似てゆれやまぬかも
ヴェトナムに流るる血をも 些事とせむ 若き死囚の ほほのかげりよ
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