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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
吉田 隼人
死後の世界はないと唱えしホーキング博士は死にて車椅子残る
あなただけ方舟に乗せられたなら何度も何度も手を振るからね
葩はなびらは花にはぐれてゆくものを夢いめゆ取り零されし残月
存在と存在の名はひびきあい棕櫚の葉擦れの内なる棕櫚よ
おもちゃ売り場の階までのこと階のこと記憶のどこをあたってもこわい
寺院シャルトルの薔薇窓をみて死にたきはこころ虔しきためにはあらず
ひとり きて しま の やしろ に くるる ひ を はしら に よりて ききし しほ の ね
花くたしいたくな降りそ新墓の猫の柔毛に滲みやとほらむ
春の岬旅のをはりの鴎どりうきつゝとほくなりにけるかも
何といふ死のまぶしさよ道の辺の馬酔木の花は陽にけぶりゐて
窓のそとに木や空や屋根のほんとうにあることがふと恐ろしくなる
雪に傘、あはれむやみにあかるくて生きて負ふ苦をわれはうたがふ
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