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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
滝までの獣の道を走り抜けあの子は歌手になるのでしょうね
合掌のかたちに瓜の双葉出づ肥料袋の行灯のなか
体操服のままのこどもが弾いている音楽教室すずしいのかな
赤子という言葉を思う静けさのなかひたすらに赤を拭った
「夏苦しい」たった一言そう書かれたアルバム評を手に走り出す
打たれても鋼になれず仰ぎ見る月は乱麻の鎌ほどに鋭き
垂り出づる何の脂か蒸しあつき夜にかがやきを含みたり見ゆ
赤ん坊をわれに抱かせたがる息子とほいとほい日の自分をみたきか
冬ばれのひかりの中をひとり行くときに甲冑は鳴りひびきたり
ペットボトルのラベルを剝いてゐる夜に無名の我をしづかに思ふ
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