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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
真夜中にかける電話に友達が笑った息の音が聞こえた
野良猫が顔を洗ふを見てあればふいと素知らぬかほに立ち去る
河合塾が入居しているビルのうち下半分が河合塾の夜
とおきわが生命記憶のくらがりに死ねざりし父のいのちたゆたう
夜に降った雨が上がっている朝にバス停の屋根をはみ出して並ぶ
ひつそりと引き込み線が蜘蛛手なす昼の軌条のにぶくひかりて
よる深くふと
握飯
にぎりめし
食ひたくなり
握
にぎり
めし食ひぬ寒がりにつつ
この星の重力美しく青々と梅の葉かげに球体実る
ふらふらと
眩暈
めまひ
おぼえて縁側ゆころげ落ちたり冬照る庭に
地名に人の歴史はあかく血飛沫くを愚政の果てに消えゆきにけり
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