コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
棚木 恒寿
熱を病むわが子の脈をさぐりつゝ窓ごしに見る日まはりの花
「行つて来ます」言はずに登校したる子の茶碗のねばねばいつまでも洗ふ
はすかひに簷(のき)の花合歓(ねむ)うつしつつ化粧鏡は昏(く)れのこりたり
お詫び
この夕べ片附け終へし文机にあはあはと置く埃を拭かん
カレンダーを家族の予定で埋めし日々終りていまは詳しく知らず
嘴赤き小鳥を愛でゝしろ銀の皿に餌をもるゆく秋の人
しらしらと老のしら髪ぞ流れたる落葉のなかのたそがれの川
池水はすり鉢状に渇水し搏動(いき)のごときを岸辺に刻む
どんよりと空は曇りて居(お)りたれば二たび空をみざりけるかも
五月雨に物思ひをれば郭公夜ぶかくなきていづちゆくらむ
いるんだろうけど家に入って来ないから五月は終わり蚊を見ていない
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
3
固定ページ
4
固定ページ
5
…
固定ページ
11
次のページ