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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
都築 直子
夕ぐれは肉のもなかに盛んなる肉屋の指をかいまみるかな
痛がりの乳房を持っていたころに初めて嚙んだこのタブレット
飛行士は冷たき空のこと話し外国の塩置いて帰った
生蒸気がパイプを戻りくる音をとらへて午後のわが耳は鳴る
夜となる空気が甘し鉄塔をのぼりゆく人の足裏見えつつ
カカカカカ キキキキキキキ ククククク ケケケケケケケ コココココココ
道路脇の怒りの爆発、路上の会話の拒否、松林の無言、
悪徳の壁塗り職人ヘンリー・ミラー氏あるあさ空をあおく蒼く塗る
からつぽのからだいくつもころがりをり「本番」の声までのつかのま
自転車を盗みし父のあとを追ふ かのかなしみは我に帰り来ず
くす玉から平和のハトが弧をえがくドームの骨の上の青空
わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち/わたしたち /わたし
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