コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
都築 直子
生業はのどぼとけかも声に打ち人を打ち赤くなるのどぼとけ
繁みたてる梢をこむる朝もやの白きが中を鳥翔けりゆく
はらわたをさらすがごとくドアひらき総武線、中央線の客ら交らふ
君が代は 千代に八千代に さざれ石の いわおとなりて こけのむすまで
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
夜な夜なを夢に入りくる花苑の花さはにありてことごとく白し
夏空は帽子のつばに区切られて銅貨のように落ちてゆく鳥
真夜中に義兄の背中で満たされたバスタブのその硬さをおもう
外苑の縁の彎曲あゆみをればみどり濃き人ちかづいてくる
だれもみな手首に鍵をゴムで留めほとんど裸で水に入った
麦畑 ひばりが一羽 飛び立ちて… その鳥撃つな 村人よ!
救ひなき裸木と雪の景果てし地点よりわれは歩みゆくべし
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
6
固定ページ
7
固定ページ
8
…
固定ページ
13
次のページ