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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
中津 昌子
大川を流れる水のゆくすえを都市遊民の夢のあわれを
つばなの野あまりあかるく光るゆゑこの世の伴侶はだれにてもよし
どうやったら金持ちになれるのだろう朝焼けが空を知らない色にしている
青雲の恋のつづきと思うべく肩にかかげる男児(おのこ)の一軀
〈いちめんのなのはな〉といふ他なきを悔しみ菜の花の中にゐる
一枚の葉書をかいてポストまで 大きな春があとついて来る
十四日お昼すぎより歌をよみにわたくし内へおいでくだされ
野獣派のマチスの「ダンス」手を繋ぐときあらはれる人間の檻
子の描きしクレヨンの線ひきのばし巻き取り母のひと日は終はる
娘と妻はいさかいながらもどり来ぬ洋服購いて春の街より
「なにもなにも小さきものはみなうつくし」日向(ひなた)で読めば桃の花ちる
ぐあんぐあんと庭のバケツが笑う日はふとんをかぶって寝ることにする
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