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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
大ぶりの椀にたつぷり雑煮して謹賀新年ひとり正月
わたくしを追ひ抜いてゆく足たちのああまた季節が
過
よぎ
りたる音
皸といふ皸にワセリン塗りこめて立ち直りゆくものか冬の夜
罐焚火のほのほの舌は夜を舐め今年の死者をほのかに照らす
遠い遠いあなたよ 雪降る川の面にはだかの指を触れて帰り来
眠りより身を引き抜いてけさ過ぎし雨に濡れたる芝を踏みたり
待ち合わす人のうしろで芯となるステンドグラスに光るむらさき
家路とは常に旅路でゆるやかに髪を束ねて川沿いを行く
アエイオウ 口つぼめたりひろげたり 窓の向こうの雪の唇
教室の鍵を投げれば非常灯の光を浴びて鱗に変はる
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