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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
温かき尿放つときどこよりも女の
陰
ほと
は地に近き場所
並べ置くヱビスビールの空き缶の中に厨の闇の溜まれり
列島を春の
潮
うしほ
のめぐるあさ木木はちからを引き合ひて立つ
疲れると小銭が増えるお財布が奥底にある通勤かばん
いづくより生れ降る雪運河ゆきわれらに薄きたましひの鞘
雪により細くなりにし路地ゆけばむこうを来る人ふと雪に消ゆ
かみくだくこと解釈はゆっくりと唾液まみれにされていくんだ
前髪をしんと切りそろえる鋏なつかしいこれは雪の気配だ
夕映えがすべてを包む 名を失くし原寸大の地球で暮らす
梅干しの種しゃぶりつつ見る月のまんまるなのは苦しいよなあ
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