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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
電球が切れてはずした何日か前 ここでひねりながら伸びながら
ゆふぐれに足をひらいて立つてゐる七歳と五歳 私の孫よ
橋の上に一尾落ちたる飛魚がふるへるほど美しきフィレンツェ
きかん気な少年が空を駆けてきて関八州はひさびさの雪
放心してわが
佇
た
ちつくす冬野
路
じ
に目的不明の杭一つたてり
碧玉
へきぎよく
のキーウィ食めば死は不意にわが子と氣づく生まざりし
吾子
あこ
松山駅降りて一丁北へ歩き煙草屋より三軒目が僕の家です
鼻すこし変形するまで原発の事故後をながくかけてたマスク
夜泣きする妹の子を覗き込むおおきい蜘蛛かもしれない私
ひそやかに汚染水流れ込む海を照らしつつ月は渡りゆくなり
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