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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2017年10月
ふと思ふ我を見守るあたたかき心に気附かず過ぎしことあらむ
嘘ではない、嘘ではないがどこまでも滑らかである彼の言葉は
台風の母は海なればゆりかごは大きく大きくそして濃き青
夜のでんしやに「もうだめだな」といふ人あり雨の言葉のやうに沁みくる
コスモスがもつれて咲いている駅にしゃがめば澱む夕影の中
ベランダの手摺りに砂の残りいる会わぬと決めし人の掌のごと
秋明菊のひとつの花をめぐり飛び去りて行きたるしじみ蝶ひとつ
かかわりのない伝言の前を過ぎてく
降ってきたよと言いながら窓を閉めてゆく 急に二人の部屋になりゆく
こうやって母もぼんやり眺めてたやかんの湯気が激しく沸つを
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