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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2020年5月
おうどんに舌を焼かれて復讐のうどん博士は海原をゆく
五十年使い慣れたるこの辞書のやぶれかぶれの我の老年
いななきて馬はめざめぬみすずかる信濃高原しなのたかはら雪真白なり
閉店のやさしい音楽が流れて、旅を勧めてくる雑誌を閉じる
「東京に生まれることも才能」と言いし人ありわれもしかおもう
まあそこに居つたらええよ、なんとなくほつと咲いてる木瓜とわたしと
はかなしな夢にゆめみしかげろふのそれもたえぬる中の契は
沼に沈む悲しき馬の嘶きを聞きてあわてて絵本を閉ぢる
新月はまだ宵ながら没いらむとす星のひかりの空にさやけき
ゆらゆらとわれの寝覚めし朝焼けはほのおのようなダリヤのような
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