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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
ひとねむりしたればおおかた人降りて旅上のひとりがふいに身に沁む
孤独なり自宅で幾度倒れてもだれもだれも起こしてはくれず
桜をはり松の林に来てゐたり潮の香いまだ夏の香ならず
開いてる店閉ぢてゐる店もう二度と開かない店一度も開かなかつた店
ねこじゃらしに光は重い 君といたすべての場面を再現できる
最後の試合終はりたる子のユニホーム洗へばながく赤土を吐く
左手に右手を重ねるだけでカニ。好きだと言ったら笑ってどうぞ
さきにいた熱とけんかをする熱だゆっくり夏のお粥をすする
ヘルパーが来てゴキブリのいなくなった部屋に父は暮らしぬ弁当食べて
お母さん、息をしてよとぴたぴたと頰を打てども息は消えたり
わが胸によき思ひ出の幾つもを残してきみは在らずなりたり
高き山より突き落とされしその時に吾をささへしは何だつたのか
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