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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
寝息だけがこの部屋の風 きみの気球はオクサス河を越えたところか
露や花花や露なる秋くれば野原に咲きて風に散るらむ
ワンピースが風に吹き飛ばされないための棒として駅のホームに立てり
暮れて行く形見に残る月にさへあらぬ光をそふる秋かな
空ネア無ンとぞ名乗る戀びと宵宵にダイヤモンドを砕くかなしも
志賀の浦梢にかよふ松風は氷に残るさざなみの声
いちじんのわたしは春の風である環状線の森ノ宮駅
胸びれのはつか重たき秋の日や橋の上にて逢はな おとうと
世間よのなかは霰よなう 笹の葉の上への さらさらさつと降るよなう
天たかく馬がこえてはならぬ一線をこえわたしもつれてって
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