コンテンツへスキップ
砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
松村 由利子
晩年はおんなどうしで暮らしましょう木の実草の実分けあいながら
昔はもつと寒かつたのだアルバムに残る写真はみな着膨れて
ヒーローはみんなを助ける人なりと京王線にをさなご元気
しらたきをずぶりと摑み水を切るこころに触れるってそうこんな感じ
点子ちやん、点失ひて純白の老猫の写真撮つてもらひぬ
一枚のチコリ剝がしてその舟にあなたを乗せむ すこし揺れます
きみが撮るピンボケ写真に眠さうな、でもおだやかな表情のぼく
ゆるやかにピアノの中にさし入れる千年前の雨の手紙を
君の触れねばわれも触れえぬさみどりの水のめぐりを二人めぐりぬ
首ひとつ抜ける一瞬セーターはまだ来ぬ春の夕焼けを見す
有事にはテロ対象の一つなる職場か夜のビル風強し
冷凍庫に冬の氷はやせほそり水に戻せばぱちりとなきぬ
投稿ナビゲーション
前のページ
固定ページ
1
…
固定ページ
11
固定ページ
12
固定ページ
13
次のページ