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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
山下 翔
初冬の浴そう磨く 水が揉む私といういつか消えてしまう影
六十四まで生きえしこの身をよしとせむ生れ月七月は黄瓜の匂ひす
眠りこそ人生なのだ集中をして眠るべし夕つ方まで
缶コーヒーのポイントシールを携帯に貼りながら君がしゃべり続ける
竜田揚げ食みつつうすき嘔吐感、くりかえし花吹雪のなかにいるよう
きみの原付のミラーはまるいやつ今度のぞいて映ってみよう
酒に酔ひ汚れて帰り来し夫が苦しみ寝入るまでを見てゐつ
いま少し飲みたかりしが友はもう向かう岸までさしかかりたり
梨の実はゆふくらがりに瞑目す死ななければ生きられなかつた人に
これがハイスピードカメラで記録した好きだと思い込む瞬間です
赤や黄のあらわれ初めし林冠を白銀坂に立ちて見下ろす
おはようは感動詞なり おはようと言葉を交わす朝の校門
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