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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
平岡 直子
遠き雲の地図を探さむこの町をのがれむといふ妹のため
鉄のよこたわる雨野をぬけてきたような声もつ不在者あなた
玉乗りの少女になってあの月でちゃんと口座をつくって暮らす
「オレが今マリオなんだよ」島に来て子はゲーム機に触れなくなりぬ
みづうみは夢の中なる碧孔雀まひるながらに寂しかりけり
生活がやってきて道の犬猫が差しだす小さく使えないお金
晴らす(harass) この世のあをぞらは汝が領にてわたしは払ひのけらるる雲
レスラーはシャツを破りて瞳孔をひらいてみせる夏の終わりに
ともだちのこどもがそこにゐるときはさはつてもいいともだちのおなか
灼(や)きつくす口づけさへも目をあけてうけたる我をかなしみ給へ
雨戸のむかうは海であつたといふやうな朝は一度もなくて古き家
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