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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
月:
2013年11月
われに向ひて光る星あれ冬到る街に天文年鑑を買ふ
とどろける環状七号線上の橋をしょんがらしょんがら渡る
百枚のまぶたつぎつぎ閉じられてもう耳だけの町となりたり
十月の雨そぼふりぬ公園にをさなごひとりゲートボールす
ソヴェートの韻律はかくも新しくわれらのクラスに没日反射す
まだ会社に慣れないせゐかオフィスでは鏡と犬が区別できない
熱き息頬に触るるかと思ふまで近づかしめて射ちはなちたり
しんじつを知りてしまいし人の名のまたひとつ神の指にて消さる
マシーンの赤きが光引きてゆく地上を愛すこの一瞬を
やがてわが街をぬらさむ夜の雨を受話器の底の声は告げゐる
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