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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
うつむきて髪洗ふときうつろなる背中をまるめ銀河にさらす
女(一六歳)金色の / 女(二四歳)木の実ころがる / 女(三二歳)山のうらへ / 女(四〇歳)あなたはとうに / 女(九六歳)行ってしまった
焼きたてのチーズケーキが息をする鉄の型より外されるとき
かなしいね人体模型とおそろいの場所に臓器をかかえて秋は
藍くらき手の静脈を眼にたどるちちとなり父に似てきたる手
秋の字の書き順ちがふちがひつつ同じ字となる秋をふたりは
右からも左からも愛されていて肩をすぼめる九月の寝床
網戸にはときおり欅の影ゆれて目詰まりしやすい光があった
一斉にマロン関連商品の出回りてひとの死にやすき秋
くぼみには白き卵をのせるべしああやはらかき秋の身体
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