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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
今井 恵子
水の輪が水の輪に触れゐるやはらかなリズムのうへにまた雨が降る
柿の実のびつしりとつく木の下に落葉みづみづし厚く積もりて
ふと思ふ我を見守るあたたかき心に気附かず過ぎしことあらむ
台風の母は海なればゆりかごは大きく大きくそして濃き青
コスモスがもつれて咲いている駅にしゃがめば澱む夕影の中
秋明菊のひとつの花をめぐり飛び去りて行きたるしじみ蝶ひとつ
降ってきたよと言いながら窓を閉めてゆく 急に二人の部屋になりゆく
蒼しずむ檜ひの山の肌黄葉もみじばは身をせめぐごと澄みて華やぐ
風鈴の垂れてしづけし戦争に移らん時の静けさに似て
親にスマホもPSPも取られて良かった自由ですと日誌にあり
遠くまで行った夢だよ トーストを焼いて渡して連れ合いに言う
馬上とはあきかぜを聴く高さなりパドックをゆるく行く馬と人
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