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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
日高堯子
草もえろ、木の芽も萌えろ、すんすんと春あけぼのの摩羅のさやけさ
けはひなく降る春の雨 寂しみて神は地球に鯨を飼へり
みつまたの花は咲きしか。靜かなるゆふべに出でゝ 処女らは見よ
我が植えし梅の木なれど我よりも先に老いたるごとく立ちおり
お軽、小春、お初、お半と呼んでみる ちひさいちひさい顔の
白梅
しらうめ
燃ゆるもの我は持たねば横目して過ぎてゆきたるジュリアン・ソレル
われはいま静かなる沼きさらぎの星のひかりを吉野へひきて
モーツァルト四十番を聞きながらうつむくひとであったよ父は
冬虹の弧はふかきかな夫在らぬ空間ふいにあらはとなれり
爪飛ばし切るとき昼の
鬼
もの
のこゑもののけの音こぞりて来る
となりにてざらりざらりと節分の鬼やらひ豆を炙る鍋の音
シクラメン隣室に置きものを書くすこし寂しく花を思ひて
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