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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
ボールペンが落ちても鞄をひらいてもすべての音が十月である
本当は声に言葉にしたかつた空を歌つてにごしたあの日
還らないひとを探してひまわり畑を歩いた。何日も何日も
スーパーの半額刺身を楽しみに時計を見つつ仕事終へたり
酒粕に鰆ふた切れ漬け込みたりうふふに過ぎる〈待つ〉とふ時間
ゆふぐれの薄墨色から足首を引き抜きながら舗装路を行く
潮のおと耳より心に入れながら脱にんげんの一瞬もある
淀川の縁にて食める焼きそばのああかつおぶしが飛んでいくがな
冒険に着ていく服が闇夜には燃やしたように思い出せない
自転車は売り切れだつた4号線北へ北へと歩きしあの日
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