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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
みりん甘くて泣きたくなつた銀鱈の皮をゆつくり噛む夏の夜
降りては来ない あふれるのよ 遠いはかないまなざしからきっとここへ
たつぷりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり
眠らない子を叱るときにわれの言うちゃんと寝なさいのちゃんとって何だ
海に身体を預けるような冗長な語りをありがとう 初鰹
空芯菜のみづみづしきを鉄鍋にざざざつと炒め哀しく啖らふも
近い海が左手にひろがる景は 百日紅 いつの思い出だろう
カウンターに呑みつつ並びゐし人ら ゆふぐれはみな話があつて
転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー
朝方はまだ飛び方が変という程度だったが昼には逝った
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