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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
松村 由利子
死ぬまでにせぬこと出来ぬままのこと考えてゐる箸洗ひつつ
月と海よびあひながらおんおんと水みちてくる稲佐の浜に
バタ足のふと軽くなる一瞬あり水は静かにわたしを恕(ゆる)す
日本人なのかなわたし琉球人だよねと言ひし人思ひ出づ
むかしへむかしへ戻りゆく母ひきもどすいっそうの舟わたしにあらず
右クリック、左ワトソン並び立つ影ぞ巻きつる二重螺旋に
うずく、まるわたしはあらゆるまるになる月のひかりの信号機前
水たまりふたり喪服の老女越ゆ ふふん鼻歌たしかに聴こゆ
音は消ゆ人も逝きたりめぐりやまぬ季節のなかに残る音楽
誓ったり祈ったりしたことはない 目を離したら消えていた鳥
暗緑の森から森へ続きゐる点線をつないだら く・ま・ぐ・す
「2度熱傷」そのものなればするたびに心が痛むトマトの湯剝き
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