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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
きつと誰かほどいてくれる使はずになくした傘の透明な襞
入り汐とわれとしづかにすれ違ひ浜まで歩く川沿ひの道
椿落ちて土に吸はれし音ひとつ晝寢の蝶の羽動くなり
もうそこまで青い闇が来ているのに風景を太く橋が横切る
自販機のボタンを押すとき、お母さん、ステルス戦闘機を感じたい
けふは昨日をあしたは今日をなぞるだらう輪唱のやうに夫と暮らす
茜さす素数に還りゆくのだと降りしきる雪の中で見送る
寝ね際のわれの気散じ冬眠の亀の寝息に思ひは及ぶ
形容詞過去教へむとルーシーに「さびしかつた」と二度言はせたり
街なかにあふれてゐたり花の名を知りたるゆゑにその花さはに
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