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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
光森 裕樹
モナリザは笑みてをらずと夢に来し誰かは言へり雨月ふかき夜
「蠅はみんな同じ夢を見る」といふ静けき真昼 ひとを待ちをり
橋なかば傘めぐらせば川下に同じ橋あり人と馬行く
さびしさに死ぬことなくて春の夜のぶらんこを漕ぐおとなの軀
いつか死ぬ点で気が合う二人なりバームクウヘン持って山へ行く
卓のグラスに映れるわれら人生のこの一齣も劇的ならず
このビルの完成予定のきょうまでになんか変わっているはずだった
違う世にあらば覇王となるはずの彼と僕とが観覧車にゐる
銀行に銀の冷房臭みちて他人(ひと)の記憶のなかを生きをり
下じきをくにゃりくにゃりと鳴らしつつ前世の記憶よみがえる夜
はい、あたし生まれ変わったら君になりたいくらいに君が好きです。
予定日は桜桃忌にて霧深しわが子の晩年をなつかしむ
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