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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
石川 美南
奥山に淋しく立てるくれなゐの木の子は人の命とるとふ
標本ビンに茸がふとる研究室を辞める話につき合いており
蕁麻疹ちりちり熱くてねころ伏すわれにかぶさり来大き紅茸
栗茸(クリタケ)のごと月光に濡れながら造成地の道帰りてきたり
炎天下掃除のさなか後悔と仏教関係の本が湧きたり
「食べるべし大豆、納豆、豆もやし」独り暮らしの夫にメールす
満月 皺ばめる心を押しひろげ来るもの悲喜のいづれと知らず
とおからぬ日のきたるべき春に待つ、でもみみかきにひとすくいほど
舞台上いつぱいガラスの破片撒き劇中それにはいつさい触れず
あちこちで瞬くひかり人の役に立ちたいって顔をかき分け進む
なんだか、/なんだかとつても/かなしいんだ//サン・マルコ広場の人/鳩まみれ
気が付いた時には世界の中にゐて海見むと海に来るのことのあり
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