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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
都築 直子
今日の水は流れいるかと問う我に年々異なる者が答える
「シュッ、コロリ」などと謳ふを笑ひつつ買ひしがまことシュッ、コロリ死ぬ
雨の降はげしくなりし沙の上は明かるむまでに白き花殻
待ちわびしコウホネひとつ水の面のひかり集めて今日咲きにけり
鉱脈の輝き放つ星の下革ジャケットの匂い吸い込む
踏み板が二つに割れて、君は聴いたか永山則夫の地に落つる音
もう死にたい まだ死なない 山須臾の緑の青葉 朝の日に揺れているなり
十四インチ望遠鏡のレンズいつぱいに這入つて来た巨大な月!
まるまると尻割れズボンよりこぼれたる白桃ふたつ小川に映る
フライパンに胡麻をゆすれば胡麻のなき円形現はる つねに一か所
暗やみにマッチをすりて残像のかがやく視野をしばらく歩む
海を過去、空をその他とおもひつつ海上飛べる鷗見てをり
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