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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
黒瀬 珂瀾
わが生に歌ありし罪、ぢやというて罪の雫は甘い、意外に
今日は寒かったまったく秋でした メールしようとおもってやめる する
寝室に行けばわれよりも早く来てベッドに待てる月光に触る
杉爺(すぎじい)の中のこだまを呼びにきて若きあかげら若き首をふる
花火咲き散りにしのちに隕ちてくる闇の重さに母と寄りそふ
しよんぼりと霧に飢ゑをるえんとつのまるみなり日暮れはこころも猫なり
ノウミソガズガイノナカデサドウシテセカイハイミトコトバニミチテ
手品師の右手から出た万国旗がしづかに還りゆく左手よ
ときおりは呼びかわし位置を確かむる秋の林に家族は散りて
大馬(おほうま)の耳を赤布(あかぬの)にて包みなどして麥酒(ビイル)の樽(たる)を高々はこぶ
〈姦〉なしてマヌカン積まれしコンテナ車過ぎしか不意に寒ふかき夕
燠のごときひかりと思うガラス戸に身をつけて見る闇の海の灯
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