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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
黒瀬 珂瀾
うるわしく人を憎んだ罰として痒みともなう湿疹が生(あ)る
才われにすこし劣りて姿よき友と啖へり朝引きの鶏
殺される自由はあると思いたい こころのようにほたる降る夜
つぎつぎとフォルダに来るspam mailさむい鷗の群れかも知れず
障子戸がひらきむかしのいとこたちずさあっとすべりこんでくる夜
今夜どしゃぶりは屋根など突きぬけて俺の背中ではじけるべきだ
涅槃図の鳥獣のごと野に立てばまた逃げ水の父あらはるる
全うするとはいかなることかくれがたの防火バケツに降り込むみぞれ
木の影の塀をつたひてくる夕べ自転車を押すは吾が父ならん
テーブルを挟んでふたり釣り糸を垂らす湖底は冷たいだろう
小さめにきざんでおいてくれないか口を大きく開ける気はない
池の面にさし出でし桜の幹に鳴く遠世のごときひとつかなかな
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