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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
黒瀬 珂瀾
つるし置く塩鱒ありて暑きひる黄のしづくまれに滴るあはれ
在りやうをわれに咎めに朱夏来たる容赦なし<蝉時雨>浴びせて
流灯に重なる彼の日の人間筏わが魂も乗りて行くなり
さかみちを全速力でかけおりてうちについたら幕府をひらく
おほかたの友ら帰りし構内に木の椅子としてわれを置きたし
襟元をすこしくづせり風入れておもふは汝(おまへ)かならず奪ふ
花弁より飛び散り易き歌のむれ風に揉まれて来る黒人兵
ぬるま湯に蛸踊りつつ死を迎ふ快楽のむらさきのこむらがへり
ささやかな歌創るより忙しき一記者のわれに没頭せむとす
この口は夏の蝉よりくりかえすどんなにあなたにみにくいだろう
わたくしの絶対とするかなしみも素甕に満たす水のごときか
朝おきて泡たてながら歯をみがくまだ人間のつもりで俺は
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