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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
投稿者:
三井 修
兵器考案その手すさびに創られて撃たれつづけるコの字型針
新春の空の深さをはかるべく連なる凧を沈めてゆきぬ
我にまだ死刑を肯(うべな)う心あり窓に当たりて窓伝う雨
生年に付く〈~〉(なみきがう)生きゐるはなべて尻尾を揺らしさまよふ
その旅は行けなかつたと言へぬまま紅葉はどうかと聞かれてゐたり
矜持なきわが性なれば昼間より咲くゆふがほの花を見てをり
桜吹雪のなかにカメラを翳しいる娘のからだ少し傾ぎて
くちばしの散らす花びらひよどりをひかりは誘ふ次なる枝へ
袖振りあふの多少の縁と五十年思ひ来たりて不便あらざりき
はる四月白くさびしき花水木もうすぐ夫のなずき削らる
棚の本を読みて箪笥の服を着て足るべし残生の心と体
こぼされた砂糖の最後のひとつぶのかなしいひかり降りしきる ガザ
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