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砂子屋書房 一首鑑賞
日々のクオリア
カテゴリー:
一首鑑賞
十年をオークの樽に沈みいしライ麦の小さき呟きを飲む
眠りゐる子の息のみがやはらかし冬の星座が星をふやす夜
人間はひとつの不潔なる川と
靠
もた
るる窓に夕茜燃ゆ
晩年のあなたの冬に巻くようにあなたの首にマフラーを巻く
死ぬまでに看取るすべての花束でいまはあなたの手をふさぎたい
おのもおのも雀のときを耐へてゐる羽根に砂粒をつぶさに
塡
う
めて
三〇歳を抜けたる先の麦の穂のなんて壮大なボーナストラック
伏せられしボートのありてこんなにも傷はあるんだ冬の裏には
ハムカツにしょうゆを垂らす舌にもうざっくりとした食感がくる
何気なく凭れしものが確かなる支えとなりて冬の雲見る
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