Archive for the '今日の一首鑑賞' category

斎藤茂吉/赤茄子の腐れてゐたるところより幾程(いくほど)もなき歩みなりけり

小島熱子/過ぎてゆく時間のなかの昼食に黄身もりあがる玉子かけごはん

申し訳ありません。

松平修文/「トゥオネラの白鳥」を繰りかへし繰りかへし聴く 日輪は過ぎ、月輪は過ぎ

斎藤茂吉/どんよりと空は曇りて居(を)りたれば二たび空を見ざりけるかも

永田 愛/ちかいうちにきっと後悔するだろう家族のことをここまで詠んで

斎藤茂吉/このこころ葬(はふ)らんとして来(きた)りぬれ畑(はた)には麦は赤らみにけり

斉藤真伸/秋場所もパドックもなきあの世とはわが師にはさぞ退屈だろう

斎藤茂吉/のど赤き玄鳥(つばくらめ)ふたつ屋梁(はり)にゐて足乳(たらち)ねの母は死にたまふなり

上野久雄/しずまらぬ咳にうずくまるときのまも消し難し白き逃げ馬の影

正岡子規/くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる

高橋元子/校歌にもうたはれてゐる松の木に松喰ひ虫の薬剤をうつ

佐藤佐太郎/避雷針するどく立てる街空をあたたかき硝子戸のうちより見をり

大森益雄/天の投網 弔ひの家越ゆるとき椋鳥千羽傾くゆふべ

長塚節/馬追虫(うまおひ)の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想(おも)ひ見るべし

野村まさこ/最後まで話さなくていいカーテンに染みこませておく君の悩みは

佐藤佐太郎/薄明のわが意識にてきこえくる青杉(あをすぎ)を焚(た)く音とおもひき

麻生由美/部分点なくて一気にバツをするマルより強しわが筆勢は

平岡直子/すごい雨とすごい風だよ 魂は口にくわえてきみに追いつく

さいかち真/お前なァ、携帯電話(けいたい)の着メロに君が代を使ってそんなにうれしいか

平岡直子/きみの頬テレビみたいね薄明の20世紀の思い出話

鈴木香代子/教科書に宮沢賢治を読む窓に金剛石のひかり来ており

平岡直子/女の子を裏返したら草原で草原がつながっていればいいのに

依田しず子/頭蓋骨(しゃれこうべ)に五臓六腑を吊り下げて杖で支えるこれぞ晩年

久々湊盈子/言葉にすれば虚辞となるゆえ風呂敷に包み提(さ)げゆく新酒一本

平岡直子/夕暮れの皇居をまわるランナーはだんだん小さくなる気がしない?

宮原望子/ぬ ぬぬぬ ぬぬぬぬぬぬぬ 蜚蠊(ごきぶり)は少しためらひ過(よぎ)りゆきたり

平岡直子/無造作に床に置かれたダンベルが狛犬のよう夜を守るの

安立スハル/馬鹿げたる考へがぐんぐん大きくなりキャベツなどが大きくなりゆくに似る

平岡直子/無造作に床に置かれたダンベルが狛犬のよう夜を守るの

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